アナログ盤を作る工房 AUTORA FACTORY PLATE
アナログ盤(レコード)はアナログ盤の溝にはりを落として針を振動させ振動を電気信号に戻しアンプで増幅しスピーカーから音を流す。

というものです。

カセット時代、録音機能のついたもので
じゃんじゃんダビングして音楽を楽しんでいた。
レコードはそうもいかない。

なぜならそのアナログ盤の溝をつくることが簡単ではないのです。

ってことで、手に入れました。
アナログのカッティングマシン。

AUTORAのメンバーになった私は音楽以外の部分の製作を行っている。
物質化に焦点を当て作ったAUTORA FACTORY
紙と石膏を使って作り出したCDジャケット
t_autora01.jpg
木素材のナンバリング加工を施したUSBメモリー

そして次はアナログ盤を1枚1枚作っていこうと考えている。

アナログ盤は媒体としては頭出しなど圧倒的にテープより勝っていると考えている。

もちろんカセットテープのように簡単に録音していけるような物ではないが
1枚だけの自分だけの特別なレコードを作ることが出来る。

アセテートへのカットは素材として柔らかく加工しやすいこともあり
ダブプレートという愛称でよく知られています。
しかし、アセテート盤はカットしやすいその柔らかさから耐久性がひくいため
再生回数に制限があります。20回も再生すれば多くのノイズが発生してしまいます。
私たちの扱う素材はポリ塩化ビニル、つまり市販されているレコードと同じ素材にカットした物です。
つまり、再生可能回数は市販のレコードと同じということになります。
スクラッチにも対応した耐久性の高い1枚から作れるレコード
それを可能にしました。

私は去年の12月ドイツはミュンヘンより電車で2時間、車で1時間の田舎町
カッティングマシンを作る工房があるケーニヒセックヴァルトという村に行きました。


そこで2泊3日のトレーニングを行い
カッティングマシンの機械工学、カッティング技術を学び
カッティングマシンを購入し輸入しました。

帰国し1ヶ月かけて教えてもらったカッティング技術にさらに磨きをかけ
カッティングに適したマスタリングを山本アキヲ氏と試行錯誤し
CDとは違うアナログ盤としてのポテンシャルを生かす事の出来る音の関数を割り出しました。
もちろんまだまだ進化していく必要はありますが、この技術をAUTORAの音楽だけに使うのではなく
多くのミュージシャンやクリエイターの方達にも使っていただきたいということから
今年1月よりcompufunk recordsの奥にアナログ盤カッティング工房を作りカッティングサービスを始めました。
詳細はこちら
現在、カッティングが出来るのは私だけなので多くの発注には対応できませんが
(もちろん本業ではないので夜の少しの時間だけでの作業になります)
工房内でミュージシャンとリアルタイムで音の特性を探りながらカットするという事が可能です。
それがAUTORA FACTORYの新しい工房
AUTORA FACTORY PLATEです。


音楽が記録できるようになり
今はデータで簡単に音楽を楽しめるようになっています。
簡単に手軽に。
それはとても良い事だと思います。
私の作るアナログ盤は手間のかかる作業で1枚しか作ることができません。
だからこそ、聞く時にその思いを感じられる。
そう思っています。

物質は物質として存在する事、ただそれだけで存在価値があります。
自分の作った音、特別思い入れのある音、それをアナログ盤に記録し
レコードプレーヤーではりを落とした時。
音楽の楽しさを再確認できます。

音楽の物質化が行われた時代
そんな風に未来では現代を表現されるかもしれません。

そして近くにアナログカッティング工房があることで産まれる新しい価値観
それを育んでいければと思います。

アナログ盤にはデジタルで表現できる音との違いがあります。
その特性をカッティングの現場で知ることが出来る。
アナログのリリースを行っている、考えているミュージシャンにとって
テストの意味合いでのカットをする事。
大切な方へのプレゼントとして音楽を楽しむ事。
そして自分だけの特別な1枚を作る事。

すべては記録された音楽をより楽しむため
是非一度足を運んでみて下さい。
お問い合わせはこちらまで
plate@autora.jp

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