体を成す
 凄まじく久々の日記ですね。



最近はとくにAUTORAの新しいアルバムのジャケット制作を行っていました。
それもようやく終わりに近づき、同時進行で紳士服店の立ち上げを行っています。

興味深い事があったので久々に日記を、、、

まず、いま紳士服店を数人で営もうとしています。
私はデザインとほんのわずかな経営知識として参加しているのですが
店の内装工事中に店舗の什器をどうするかという話があり
コンクリートブロックを使った物を提案していたのですが
職人の方からNOを突きつけられました。

とにかく子どもの頃から何かを作る行為が大好きで
物が出来上がっていくプロセスを理解する事が一番の快感です。
覚える事と理解する事は違う感覚で理解した事は応用が利く物である。
それは生きていくうえで少なからず刺激的な世界との関わりを持つことが出来ると思う。
私は固有名詞を覚える事が苦手なため覚える事で広がりを持つことが出来る会話があまり出来ない。
これは刺激的な他者との関わりが減っていることがあると思うこともある。

脱線しています。ちょっともどします。。。

その理解する事の応用例として
今回のAUTORAジャケットが特に自分の個性が出たと自負しています。
それはビジュアル的な物ももちろんですが物体として出来上がるプロセスにあります。

今回、AUTORAのアルバムの世界観を表現するにはグラフィックが必要になるのですが
やっとそのグラフィックの制作に移行しています。
今までのジャケット制作は文字通りCDを入れる入れ物としてのジャケットを作っていました。
コチラの写真が今回のアルバムジャケットになります。


新聞紙をかき集めるために喫茶店のママさんに古新聞谷町になって頂いたりと
様々な小エピソードがあるんですが細かい制作過程等はまたの機会があれば。。。

このジャケットはメンバー、レーベルオーナーや数名の有志の方々と一緒に
一つ一つ手作り、結果、簡単に言うと家内工業(内職)として完成させました。

見開き1ページの新聞紙を蓋と底で1枚ずつ使っています。
石膏を混ぜる事で流通に耐えうる強度と独特な色合いを出すことができました。

この物体はCDケースとしての役割をクリアーしてはいるのですが
未だなんなのかよく理解できないでいます。
発売は7月1日との事です。

物体はその素材が何であるかというのが一番その物体を理解する上で重要な部分です。
逆に言うと
素材を熟知していればしているほど物体は物体としての説得力を持つことになります。

内装工事の話に戻るのですが
内装とは人を取り囲む空間であり物体が人に与える物理的影響はとてつもなく大きい物となります。
コンクリートブロックを積んだだけのテーブルは不安定な要素を持ち合わしています。
もちろんその不安定な状態を私は理解していたのですが
多少不安定であったとしても問題は無いだろうと低いハードルだと考えていたのです。

その後、いろいろな素材を提案して行く中ですり合わさっていき
デザイン、強度、費用、安全、全ての面でより答えに近い什器を考えつくことができました。
そして、決定的な事として
コンクリートブロックを素材として外したはずが
コンクリートブロック無しでは理にかなわないデザインが生まれました。
安全面というビジュアルより優先すべき事への認識が甘かった自分が
職人の方にまた「えっと、ここにコンクリートブロックを、、、」というのが
少し恥ずかしいとも感じましたね。

今だからわかる事として、おそらく単純な事で
コンクリートブロックの利点の中で安価であるという部分をフィーチャーしすぎていたのかと
そして不安定な難点としてその重さがNOの原因であった事。

しかし、新しいアイデアはその重さが重要な利点となったわけです。
費用はもちろん大切な事だが、費用は最後に調整し
とにかく擦り合わせを何度も何度も繰り返す事ですね。
素材のポイントをしっかり見抜き独自の視点を持ち提案する事。
初歩的ではあるがいつまでもつきまとう着眼点という切り札の重要さ。
職人の方の安全な物作りという基本的なとても愛ある対応に感謝 ってわけです。

AUTORAのジャケット
Pケースや紙ジャケではなく何ケースといっていいかわからないケースである事。
ケースなんだけどケースじゃないではなく。
ケースなんだけど何のケースかわからないケース。という事です。
その部分、そのなんだけどその感じがふわっとしてる。
でもハードルは見える。超えれる。
この感覚に似たような物を
AUTORAの新しいアルバム曲からも私は感じます。
理解できそうでできない、ありそうでない、でも存在している。
こういう感覚をハードルのより多い物理的に影響力の大きな内装などでも表現できればと。
精進致します。

ちなみに予定では紳士服店は5月12日オープンなのですが
ちょっと遅れるかもしれませんね。
すばらしい店になってきております。


この廃墟と言って過言ではない空間がどこまで変貌を遂げているのでしょうかね。

場所は大阪、東心斎橋です。
完成したら是非遊びにきてください。
私は店頭にたつ事はあまりないと思いますが
時間があれば立つようにします。


AUTORAのCD、数量に限りがあります。
発売までまだ時間がありますがどうぞよろしくおねがいします。

いいアイデアが浮かぶと寝れなくなるもんですね。
什器の完成が楽しみです。
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